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2019-09-17

秘すれば女花(はな)

グループ展「八葉集」のメンバーから再びお誘いをいただきました。
会場は大阪のカドカワ株式会社にあるショールーム。
襖紙を取り扱う企業らしくくしゃくしゃにしたふすま紙を積み上げた
「蔡庵(さいあん)」という茶室がある、ガラス張りのユニークな空間です。
真冬の時期にふさわしく「夕鶴(鶴の恩返し)」を下敷きに
艶めいた解釈を加えた物語をベースに展示、影絵と語り、歌語りと
書のライブパフォーマンスを行いました。

リーダーがタイトルに「露をこぼす花を文字に絡めてほしい」という
ナイスリクエストをくれました。艶やかさが欲しければ絡めるべし。

今回も告知用のフライヤー制作を担当しました。
私のデザイナー人生で一番色っぽいビジュアル。
大変楽しい制作でした。
チラシ一つ作るのに打ち合わせで「スケスケ」を連発したのは初めてです。

一番嬉しかったのは、フライヤーの刷りあがりを見たメンバーのみんなが
「いろんなバージョン作ったら?」「展示会場にもインスタレーションで使おうよ」
と言ってくれたことでした。
刺激を受けて作ったのが「うらぶれた床の間」。
小さいスペースですが、空間を作ることは初めてで、新鮮な楽しい体験でした。

「八葉集」、「秘すれば女花」を通じて得た何よりの財産は、
作家活動を続ける女性たちとの出会いだったように思います。
みんな自分の持てる技術を日々弛まず磨き、
矜持を持って誰かに寄り縋ることなく自身の足で立っている。
「私もこう在りたい」と思う人たちにようやく会えた思いでした。

  • 体裁:A4サイズ リソグラフ印刷
  • 制作時期:2016年2月

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