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2021-04-30

「ならまちごっこ」の浴衣

着物好きならご存知の方が多いと思われる、ゴフクヤサンドットコム
デジタル捺染の技術とユニークなアイデアにあふれたデザインで人気の着物屋さんです。
そんなお店がTwitter投票で開催された「浴衣デザインコンテスト」に参加いたしました。

デザインモチーフはならまち。浴衣・帯を合わせて奈良の町屋街である「ならまち」を形にしてみました。
浴衣の柄は古民家の格子とならまちのシンボル「願い猿」。
よくよく見るとちいさいひとたちが紛れ込んでおります。

帯は夕暮れ時の町屋の風景。
古い町並みが映える夕方のならまちは本当にきれいです。
ちなみに帯では表現しづらいのですが、高低差が意外と激しいならまちでは
坂道越しの夕焼けもとても素敵です。

ところで最近は浴衣を夏着物風にアレンジして着る趣向も人気。
アイテムの組み合わせ次第で大きく表情を変えるところが着物の面白さ、ということで
私も4種類ほど考えてみました。

ならまち歩きバージョン

着物とスニーカーの組み合わせは苦手・・・という方もおられるのですが、私は割と好きな方なんです。
色を揃えたら、結構いけるのではないかと。
ならまちは坂が多いので、「歩き尽くすぞ!」というときにはいいかもなぁと考えました。
意外と気取らないお店も多いので、ちょっとジャンクっぽい組み合わせ。
しれ〜っとならまちごっこのトートバッグを組み合わせたりして。

これぞ奈良。王道バージョン

東大寺・春日大社などなど「The 奈良」なコースをめぐるときには
夏着物も王道の組み合わせの方がテンション上がるかなと。
組み合わせた日傘と足袋は奈良の墨アート作家さんによるブランド「Sumihiko」
墨が散ったようなドローイングは花のようでもあり、雨の雫のようでもあり。
ちなみに奈良は墨発祥の地にして今でも全国シェアNo.1を誇る、良質な墨の産地です。

かわいかしこいきたまちバージョン

近鉄奈良駅より北側の「きたまち」と呼ばれるエリアは個人的に大好きな地域です。
古民家と現代の家が混在していて「暮らし」を感じさせつつ
面白い個性の個人店が結構多い、心和む落ち着きを持ちながらユニークな場所。
初めて訪れたときに「奈良女子大学の存在が大きいためか、カルチャーの香りがするところですよ」
と地元の方に教えていただいたことが今でも印象的です。
女子大の影響を積極的に受けて可愛らしくも賢そうな格好なぞ。
ちなみに帯留めに使ったブローチは同じくきたまちの器人器人にて実際に買ったもの。
このお店の器はどれも素敵なものばかり!

まさかの大和郡山ドッキングバージョン

たまたま手元に金魚がらの手ぬぐいと
「ちんゆいそだてぐさ」で買った陶器のブローチがあったことから
試しに考えてみたコーディネート。
「ちんゆいそだてぐさ」とは、毎年初夏に郡山城址で開かれる工芸フェアです。
会場となる郡山城の城下町だった大和郡山は、近鉄奈良駅界隈とはまた違う表情を持つ古都。
個人的には源九郎稲荷神社のちょっと妖しげな風情が好きです。
・・・やってできないことはない組み合わせですが、
せっかくだったら折を見て郡山の浴衣を考えてみたいかなぁ。

・・・・・と、ここまでさもこの浴衣が実在するかの如くに綴って参りましたが
これはバーチャルです。今のところ、実在は致しません。
反物のデザインをゴフクヤサンドットコムが立体化してくださったものです。
本来だったら大阪 阪急うめだ本店にて、
入賞作品の展示や注文販売などなど楽しい企画があったのですが、
残念ながら新型コロナウィルス対策の影響で中止となってしまいました。
なので、この場を設けて見ていただこうかなと。

ならまちモチーフのデザインはこれまでに他の雑貨で色々と作っていて、願い猿は魔除けのお守りとして
ならまちの人が大事にしているのに不謹慎かな・・・・と思いつつ制作しておりました。
ですが、願い猿の元となる庚申信仰の始まりは確か疫病の終息。
コロナ禍真っ只中の現在に、私でもみんなの願いを込められるかもしれないと思いつつ
町への思いを馳せて作りました。
楽しんでいただけましたら嬉しいです。

  • 体裁:データのみ
  • 制作時期:2021年3月

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