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2022-03-11

【プロダクションノート】気楽な入口

新しくzineを作りました。タイトルはそのまんま、「奈良都民のおえかき」です。
今までにたびたび描いてきた奈良都民なりの奈良ネタを清書したようなイラスト集です。オンラインショップでご購入いただけます。

「山焼きっておいしい?」や「大仏鉄道」などなど、ちいさいひとたちのかんちがいシリーズ。誰もこんなかんちがいはしないと思うけど、このひとたちはするんです。多分。

雨の日の飛火野もこれを被れば大丈夫。・・・嘘です。バランス崩すってば。
でもこの偉い人帽子を見てこういうシチュエーションを想像する人って案外いると思うんだよなぁ。いないかなぁ。いや、きっといる。

ちいさいひとたちによる、奈良の古いものまねっこシリーズ。
ちいさいひとたちトリオのうち2人は天平風の服装なので(※かなりインチキアレンジが入っている)仏様にまつわる像や壁画のまねっこをさせやすいのです。もう1人、黄色くて丸い人はフォルムがシンプルなので、なんでも盛れます。

史跡だらけの奈良ですが、お寺や神社のこと、歴史や土地にまつわる言い伝えなどの知識がないと少々理解に難儀することも多々あります。私もその都度人に聞いたり調べたりしています。山焼きの始まりとかいまだに調べないとわからないし。

ただ、知るとおもしろいんです。土地と人との結びつきや当時の人々の体温が感じられて。例えば東大寺のお水取り(修二会)のお話なんて本当に面白い。神様がお寺を訪ねてくるなんて。しかもちょっと遅刻するなんて。なんのこっちゃと思った方、よかったら検索してみてください。ちなみに私は数年前に初めて修二会を見に行った折に、祭祀のお手伝いをされている方(私は東大寺の半被のおじちゃんと呼んでいる)から教えていただきました。神様もお迎えするから修二会でお籠りする僧侶の皆さんはお堂に入られる前に手を合わせるのと同時に柏手を打つのだそうです。

このお話を聞いたとき、ちいさいひとたちが「お坊さんがぱんぱんとなむなむするの!?」と半被のおじちゃんに聞く姿が私の頭の中で即座に浮かびました。そう、ちいさいひとたちの反応は、そのまま私の反応なのです。

自分が暮らす国で古くから培われてきた事柄を知ることは本当に楽しいし、ひょんなことから思わぬ道への入り口を見つける瞬間はなんとも言えない喜びがあります。いまだに堅苦しいと思われがちな「日本の古いもの」の奥には驚くほどの混沌があって、必ずそこに生きた人間の息遣いがある。その息遣いは、確実に今の私たちへと繋がっていると思います。

知れば面白いけど入り口がちょっととっつきづらい・・・。そんな世界の入り口から、ちいさいひとたちの素朴な驚きや疑問、時にはとんちんかんな勘違いを届けられたら。そんな気持ちで私はこのzineを作りました。お楽しみいただけましたら嬉しいです。

余談ですけどzineの本文と表紙を留めているこのウッドビーズ、イメージは鹿さんの◯ンです。なんかすんません笑


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