昨年より参加しております「空想装丁図書館」。
好きな本を選んで勝手に装丁しちゃいましょう、というグループ展でございます。
前回は太宰治の「女生徒」と杉浦日向子の「入浴の女王」で制作しました。
今回もお題は2つ。自由課題として自分で本を選ぶものと、
共通課題として「三人の作家」より一人を選んで装丁するもの。
今年の作家は江戸川乱歩、谷崎潤一郎、金子みすず。
私は常々「黒蜥蜴」を読んでみたいと思っていたので、乱歩を選びました。
実際に装丁したのは「黒蜥蜴」を含む五編の短編集でして、
どの話も「何かが裏腹」「正しいと思われたものが果たして正しいのか・・?」
「実像と信じていたものがどうも虚像だったのかもしれない」といった、
最後の最後に何かをひっくり返されて途方に暮れる読後感がありました。
特に印象に残った、最初の短編「一枚の切符」のラストから連想して、こんな表紙を作ってみました。
いやぁ、「読めない表情」って表現するの難しいですね。
今年の「空想装丁図書館」開催情報は下記フェイスブックページをご参照ください。
新型コロナウィルスの感染状況が芳しくないため積極的なご来場をお勧めできませんが
お見知り置きいただけますと嬉しいです。